釣りを始めるとき、グローブ(手袋)は後回しにされがちなアイテムです。しかし魚を掴む・ラインを引く・岩場を移動するなど、手を使う場面は意外と多く、怪我や日焼けの予防にも直結します。この記事では、釣り用グローブの種類・素材・形状の違いを整理し、自分の釣り方に合ったものを選ぶための考え方を解説します。
釣り用グローブが必要な理由

釣りでは意外に手への負担が大きい場面があります。まず、PEライン(ポリエチレン素材の釣り糸)は細くて強度が高い反面、素手で引っ張ると指に食い込みやすいという特徴があります。特に魚が強く引いたとき、ラインを手で持ち直すと怪我につながることがあります。
また、フィッシュグリップ(魚を掴む専用ツール)を持っていない場合、歯や棘(とげ)のある魚を素手で掴むのは危険です。カサゴやメバルのような根魚(ねざかな:岩礁帯に棲む魚の総称)は背びれに鋭い棘を持ちます。グローブがあるだけで、こうしたリスクを大幅に軽減できます。
夏場の紫外線対策も大切な理由のひとつです。釣りは長時間屋外で過ごすことが多く、手の甲は日焼けしやすい部位です。薄手の日焼け防止グローブをつけるだけで、長期的な肌へのダメージを和らげることができます。
釣り用グローブの主な種類
釣り用グローブは大きく分けて4つの種類があります。それぞれの特徴を理解しておくと、自分の釣り方に合ったものを選びやすくなります。
フィンガーレスタイプ(指先が出るタイプ)
指先を露出させた形状のグローブです。感度(仕掛けやルアーの動きを手で感じる力)を重視したいルアー釣りや、細かい作業が多い釣りに向いています。ラインの結び替えや針外しのとき、グローブを外さずに作業できるのが大きなメリットです。
一方で指先の保護は薄くなるため、カサゴやハタなど棘のある魚を素手で掴む場合は注意が必要です。日焼け防止の効果も限定的になります。初心者がルアー釣りから始める場合、このタイプを選ぶ方は多いです。
フルフィンガータイプ(指先まで覆うタイプ)
全指を覆うタイプで、保護力が最も高いグローブです。防寒・防水・魚の棘対策など、さまざまな用途に使えます。秋から冬にかけての防寒対策として選ぶ方も多いです。
ただし、細かい作業時に指先の感覚が得られにくくなる点がデメリットです。グローブの素材や厚さによって感触が変わるため、購入前にできれば実物の質感を確認すると失敗しにくいです。
日焼け防止タイプ(UVカットグローブ)
UVカット(紫外線遮断)機能を重視した、薄手で通気性のよいグローブです。夏場の釣りや、サーフ(砂浜)・堤防など日差しが強い場所での釣りに向いています。素材はナイロンやポリエステル系が多く、汗をかいても乾きやすいものが増えています。
保護性能は他のタイプより低いため、防寒や棘対策を目的とする場合は別のタイプと使い分けが必要です。
防寒・防水タイプ
冬の釣りや雨天時に対応したグローブです。内側にフリース素材やネオプレン(合成ゴム系素材)を使ったものが多く、保温性と防水性を兼ね備えています。堤防釣りや磯釣りの冬場に重宝するタイプです。
厚みがある分、操作感は落ちます。フィンガーレスとフルフィンガーの中間にあたる「3フィンガーカット」タイプも存在し、指先の感覚を残しつつ防寒できる製品も出ています。
素材の違いと特徴
釣り用グローブに使われる素材はいくつかに分けられます。素材によって使い心地・耐久性・用途が大きく変わります。
ナイロン・ポリエステル系
軽量で通気性が高く、乾きやすい素材です。UVカットグローブや夏用グローブの多くがこの素材です。価格が手頃なものが多く、初めて釣り用グローブを購入する方にも取り入れやすい素材です。薄手なので操作感を損ないにくいのも特長です。
ネオプレン系
ウェットスーツと同じ合成ゴム系素材です。防水性・保温性に優れており、冬の釣りや海水が手にかかる場面に向いています。柔軟性もあるため、フィット感が高い製品が多いです。やや厚みがあるため、細かい作業時には慣れが必要です。
革・合成革系
グリップ力(滑り止め効果)が高く、耐摩耗性(こすれに強い性質)に優れています。ロックショア(磯や地磯など岩礁帯からの釣り)など岩場を歩く場面や、ラインに負荷がかかる釣りで手をしっかり保護したい場合に向いています。蒸れやすい面はあるため、通気孔(穴)が設けられた製品を選ぶと快適に使いやすいです。
選び方の基準を整理する
釣り用グローブを選ぶとき、迷いやすいポイントをあらかじめ整理しておくと比較しやすくなります。
釣り方・釣り場に合わせて考える
| 釣り方・釣り場 | 向いているタイプ |
|---|---|
| ルアー釣り(堤防・サーフ) | フィンガーレス / UVカット |
| ロックショア・磯釣り | フルフィンガー / 革・合成革 |
| 冬の釣り全般 | 防寒・防水タイプ |
| 夏の堤防・サビキ釣り | UVカット / 薄手ナイロン |
| 渓流・ウェーディング | ネオプレン / 防水タイプ |
釣り方が決まっていれば、このような軸で絞り込むと選択肢を大幅に狭められます。
サイズの選び方
グローブのサイズは手のひら周囲を基準にしたものが多く、S・M・L・XLで表記されることが一般的です。メーカーによってサイズ感が異なるため、サイズ表(手囲いの目安cm)を確認してから選ぶことをおすすめします。
きつすぎると血行が悪くなり、緩すぎると作業中にズレてストレスになります。フィット感は使い心地に大きく影響するため、可能であれば実物を試着してから選ぶと後悔しにくいです。
価格帯の目安
釣り用グローブは用途や素材によって価格帯がかなり幅広いです。
- 1,000〜2,000円台: 薄手のUVカット・ナイロン系。夏用・入門用として十分な性能
- 2,000〜4,000円台: フィンガーレス・ネオプレン系の汎用モデル。釣り全般に対応しやすい
- 4,000円以上: 革・合成革系・高機能防水モデルなど。磯釣りや冬の本格釣行に向く
初心者の方は、まず2,000〜4,000円台の汎用モデルで試してみることをおすすめします。使ってみてから、自分の釣り方に合わせた専用モデルに絞り込むほうが後悔しにくいです。
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よくある失敗パターンと防ぎ方
「どうせ濡れるから不要」と思ってしまう
釣りで手が濡れること自体は避けられませんが、素手のままでいると紫外線・棘・ラインによる怪我リスクが高まります。速乾性のあるグローブであれば、濡れても不快感が長続きしにくいです。「濡れても使えるか」という視点で素材を確認すると選びやすいです。
防寒目的で厚すぎるものを買ってしまう
「冬だから厚手のものを」と考えて選ぶと、ラインの操作やリールのハンドル操作がやりにくくなることがあります。釣りには適度な指の感覚が必要なため、「防寒と操作性のバランス」を基準に選ぶことが大切です。フィンガーレス+防寒インナーグローブの組み合わせも実用的な選択肢のひとつです。
一年中同じグローブを使う
季節や釣り方が変われば、グローブに求める性能も変わります。薄手のUVカットグローブ1枚で冬の防寒は難しく、厚手の防寒グローブで夏に使うと熱がこもります。2種類ほど持ち分けておくと、一年を通じて快適に使えます。
グローブと合わせて見直したいタックル選び
釣り用グローブを選ぶついでに、ほかのタックル(釣り道具)も見直すと、全体のバランスが整います。たとえば、釣り用スピニングリールの番手と選び方や、釣り竿(ロッド)の硬さ表記の見方なども確認しておくと、道具選びの迷いが減ります。
ラインについては、釣り用PEラインの号数と強度の目安を参考に、グローブで保護すべきライン強度の目安も把握しておくと安心です。
要注意ポイント
- ⚠️ 棘のある魚(カサゴ・ハタ・フグなど)を素手で掴むことは怪我につながる可能性があります。フルフィンガータイプのグローブや、フィッシュグリップの使用をあわせて検討してください
- ⚠️ 防水・防寒グローブの性能はメーカー・モデルによって大きく異なります。購入前に公式スペックページや実際のレビューを確認することをおすすめします
- ⚠️ グローブのサイズ表記はメーカーによって基準が異なります。必ず手囲い(cm)の目安を確認してから選んでください
- ⚠️ ロックショア・磯釣りなど足場が不安定な釣り場での使用時は、グローブだけでなくライフジャケット・スパイクシューズなど安全装備全体を整えることをおすすめします
- ⚠️ 本記事で紹介した価格帯はあくまで目安です。実際の価格は販売時期・販売店によって異なります
- ⚠️ 特定の商品・型番の推薦は行っていません。購入前に複数の候補を見比べて、自分の用途に合ったものを選んでください
出典
- シマノ 製品情報(公式スペック要確認 — 購入前にメーカーサイトで確認してください)
- ダイワ 製品情報(公式スペック要確認 — 購入前にメーカーサイトで確認してください)
- がまかつ 製品情報(公式スペック要確認 — 購入前にメーカーサイトで確認してください)
- マズメ 公式サイト(フィッシングウェア・グローブ製品ラインナップ参考)
- VARIVAS 公式サイト(フィッシングアクセサリー製品情報参考)
















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