船釣りで電動リールを使っている人を見て、「自分も欲しいけど、何を基準に選べばいいかわからない」と感じたことはありませんか。電動リールは決して安い買い物ではないため、最初の1台で失敗したくないという不安もあるかと思います。この記事では、手巻きリールとの違いから、電動リールの選び方・使い分けまでを初心者向けにわかりやすく整理します。
電動リールとは:手巻きリールとの基本的な違い

電動リール(でんどうリール)とは、モーターを内蔵し、ボタン操作でラインを自動的に巻き取ることができるリールのことです。主に船釣り(乗合船や仕立て船)で使われます。
手巻きリール(スピニングリールやベイトリール)と比べると、最も大きな違いは「深場での疲労軽減」です。水深100m以上の場所で重いオモリや仕掛けを繰り返し回収する作業は、手巻きでは体力を消耗します。電動リールはその負担を大幅に減らしてくれます。
一方で、電動リールには電源(バッテリーまたは船の電源)が必要です。価格も手巻きリールと比べると高く、入門機でも3万円台〜が一般的です。「どんな釣りに使うのか」を明確にしてから選ぶと、後悔しにくくなります。
電動リールが活躍する釣りの種類
電動リールは、すべての釣りに必要なわけではありません。まずはどんな釣りで使われるかを確認しましょう。
深場の船釣り
水深50m以上の場所を狙う釣りでは、電動リールの恩恵が大きいです。タイラバ(鯛ラバ)、マダイ釣り、スルメイカ・ヤリイカのイカ釣り、青物のジギングなど、底を取って何度も巻き上げる釣りに向いています。
タイラバ入門の記事でも触れていますが、マダイをはじめとする底物を乗合船で狙う場合、電動リールがあると手返し(仕掛けを上げて再投入する回数)が増え、釣果につながりやすいと言われています。
タチウオ・アナゴ・深海魚など
タチウオの船釣りやアナゴ釣り、深海魚を狙う釣りでも使われます。特に夜釣りで長時間釣り続ける場合、体力温存の観点から電動リールを好む釣り人が多いです。
手巻きで十分な釣り
水深が浅い堤防釣りやサビキ釣り、ルアー釣り全般には電動リールは不要です。サビキ釣り入門の記事でも紹介しているように、足元を狙うサビキ釣りなら手巻きで十分対応できます。
電動リールの主な仕様と選び方の基準
電動リールを選ぶ際に確認したい仕様を整理します。候補をいくつか見比べると選びやすくなります。
糸巻き量(ラインキャパシティ)
電動リールの最重要スペックのひとつです。ターゲットと水深に合わせた号数のラインを、必要な長さ分巻ける機種を選ぶ必要があります。
一般的な目安は以下の通りです。
- 水深〜100m前後(タイラバ・マダイ等): PE(ピーイー、ポリエチレン素材の釣り糸)2号・300m前後が目安
- 水深100〜200m(イカ・青物等): PE3〜4号・300〜400m前後
- 水深200m以上(深場の釣り): PE4〜6号・500m以上
糸巻き量が足りないと底まで仕掛けが届かないため、ターゲットの水深を事前に確認しておくことをおすすめします。
巻き上げ力(パワー)
モーターの巻き上げ力は「kg(キログラム)」で表示されることが多いです。重いオモリ(200〜400号)を使う深場釣りでは、巻き上げ力が高い機種が必要です。
初めて深場の船釣りに挑戦する場合、汎用性のある中型電動リールから始めると幅広い釣りに対応しやすいです。
大きさ(番手・シリーズ)
電動リールには「小型(S・SS)」「中型(M)」「大型(L)」などの区分があります。
| タイプ | 目安の用途 |
|---|---|
| 小型 | タイラバ・浅場のマダイ・アジ・サバ(水深〜80m前後) |
| 中型 | イカ・中深場の青物・スルメイカ(水深100〜200m) |
| 大型 | カツオ・マグロ・深海魚(水深200m以上) |
最初の1台は、よく行く釣りものに合わせた「中型」から選ぶのが失敗しにくいと言われています。
液晶パネルと操作性
最近の電動リールには、水深表示・巻き上げ速度調整・棚止め機能(タナどめ、指定した水深で自動的に止まる機能)などを備えた液晶パネルが搭載されています。初心者には操作がシンプルなモデルの方が扱いやすく、慣れてから上位機種に移行するのもひとつの考え方です。
電動リールの価格帯と初心者の予算感
電動リールの価格帯は幅広く、入門機から高級機まであります。おおまかな目安を示します。
入門〜中級機(3万円〜8万円台)
基本機能は十分に備えており、乗合船での一般的な深場釣りに対応できます。初めて電動リールを買う方は、まずこの価格帯から選ぶのが無理がない選択です。必要十分なスペックを持つモデルが揃っています。
中〜上位機(9万円〜15万円台)
糸巻き量・巻き上げ力・操作性がバランスよく向上します。釣行頻度が高い方や、より深場・より大型魚を狙いたい方向けです。
ハイエンド機(15万円以上)
プロやベテランが使う高出力・高機能モデルです。初心者に必要なスペックを超えている場合がほとんどです。過剰スペックを避けるためにも、まずは自分が行く釣りに必要な機能だけを確認してから選ぶのをおすすめします。
電源の確認:バッテリーか船の電源か
電動リールを使う前に必ず確認しておきたいのが「電源」です。
船の電源(シップバッテリー)
多くの遊漁船(ゆうりょうせん、釣り船)では、船上に12Vの電源コンセントが設置されており、電動リールをそのまま使うことができます。初めて電動リールを使う場合は、乗船前に「船の電源は使えますか?」と確認しておくと安心です。
専用バッテリー
船の電源がない船や、釣り桟橋・岸からの釣りで使う場合は、専用のリチウムイオンバッテリーまたは鉛バッテリーが必要です。バッテリーは2〜5kgほどの重量になることが多く、持ち運びにも注意が必要です。
電動リールと手巻きリールの使い分けまとめ
| 条件 | 電動リール | 手巻きリール |
|---|---|---|
| 水深 | 50m以上が目安(特に100m〜) | 〜50m程度まで |
| 釣り物 | マダイ・イカ・青物・タチウオ(船) | サビキ・ウキ釣り・ルアー全般 |
| 体力負担 | 少ない(長時間・多回数に向く) | 多い(浅場なら十分) |
| 価格 | 高め(3万円〜) | 安め(数千円〜) |
| 電源 | 必要 | 不要 |
電動リールは深場の船釣り専用の道具と考え、他の釣りには手巻きを使い分けるのが基本的な考え方です。船釣り入門の記事も参考にしながら、自分が行く釣りに合わせて検討してみてください。
購入前に確認しておきたいこと
電動リールを買う前に、以下の点を整理しておくと選択肢が絞りやすくなります。
- どこで何を釣るのか(釣り物・水深・釣り場の種類)
- どのくらいの頻度で使うのか(月1回程度なら入門機で十分)
- 船の電源は使えるのか(乗船する遊漁船に確認)
- どのくらいの予算があるのか(リール本体+ライン費用も含めて考える)
これら4点が整理できると、必要なスペックの機種が自然に絞れてきます。レビューや使用感も確認すると、選んだ機種が自分の釣りスタイルに合っているかを事前にイメージしやすくなります。
要注意ポイント
- ⚠️ 電動リールの電源(船の電源 or バッテリー)は乗船前に必ず確認してください。電源が確保できない場合は使用できません
- ⚠️ 遊漁船によっては電動リールの使用が制限される場合があります。乗船前に船宿に確認することをおすすめします
- ⚠️ 価格帯ごとの「スペック差」は大きく、自分の釣りに不要な高性能機を選ぶ必要はありません。過剰スペックは予算の無駄になりやすいです
- ⚠️ 巻き上げ力・糸巻き量はターゲットの水深に合わせて選ぶ必要があります。スペック不足だと底まで届かない・巻き上げられないことがあります
- ⚠️ 電動リールのメンテナンス(水洗い・注油)は手巻きよりも繊細な扱いが必要です。使用後は必ず真水で洗い、内部に海水が入らないよう注意してください
- ⚠️ 本記事の価格帯はあくまで目安です。市場価格は変動するため、購入時に最新情報を確認してください
















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