【釣行記】2年通ってようやく出会えた1本。南房総・千倉の磯でヒラスズキ

2026年6月6日。
この日は、僕にとって忘れられない一日になりました。

向かったのは千葉県南房総市、千倉エリアの長島という磯。狙いはヒラスズキです。

ヒラスズキという魚は、簡単に釣れる魚ではありません。特に磯から狙うとなると、場所選び、風、波、サラシ、立ち位置、キャストコース、ルアーの流し方、そのすべてが噛み合わないと、なかなか答えが返ってこない魚だと思っています。

僕自身、このエリアには約2年ほど通っていました。

釣れそうなサラシがある日もありました。
雰囲気だけなら満点に近い朝もありました。
「今日は出るだろう」と思いながら、何も起こらずに終わった日も何度もあります。

むしろ、何も起こらない日の方が圧倒的に多かったです。

それでも、なぜか通うのをやめられませんでした。磯に立って、波が岩にぶつかり、白く広がるサラシを見ていると、「次の1投で出るかもしれない」と思ってしまう。ヒラスズキ釣りには、そういう魔力みたいなものがあります。

そしてこの日、ようやくその「次の1投」が現実になりました。

当日の天気・海況

2026年6月6日の南房総エリアは、梅雨入り前らしい曇り空。館山の実況では、最高気温は22.1℃、最低気温は15.8℃、降水量は0.0mm。暑すぎず、寒すぎず、磯を歩くには比較的快適な気温でした。

一方で、近隣の白間津沖の情報では、波の高さは1.5〜2.0m、水温は23.0〜24.1℃、風は北東5〜6m。海色はにごり〜うすにごり。ヒラスズキを狙うには、決して悪くない条件です。

潮は館山基準で、満潮が7:07と21:19、干潮が1:56と14:03。朝の満潮まわりから下げに入っていく流れを意識しながらの釣りになりました。

もちろん、磯の釣りは数字だけで判断できるものではありません。同じ波高でも、うねりの向きや周期、磯の形状、立ち位置によって安全性も釣りやすさも大きく変わります。

ただ、この日の長島は、ヒラスズキを狙うには十分なサラシが出ていました。

波が岩に当たり、白く砕け、足元から沖へ向かって広がっていく。
その白い筋の下に、魚が着いているような気がする。

何度も見てきた光景なのに、この日は少しだけ違って見えました。

2年分の「釣れない時間」を背負って磯へ

ヒラスズキ釣りで一番しんどいのは、釣れないことそのものよりも、「何が悪かったのか分からないまま終わること」だと思います。

ルアーが悪いのか。
立ち位置が悪いのか。
通すコースが悪いのか。
そもそも魚がいないのか。
タイミングがズレているのか。

答えが分からないまま帰る日が続くと、自分の釣りに自信がなくなってきます。

南房総の磯に通い始めた当初は、ただサラシにルアーを投げているだけでした。白い波が出ていれば釣れると思っていたし、荒れていれば荒れているほどチャンスだと思っていました。

でも、通えば通うほど、それだけでは足りないことが分かってきます。

危ない波と釣れる波は違う。
厚すぎるサラシはルアーが入らない。
薄すぎるサラシは魚が出にくい。
払い出しに乗せるのか、サラシの切れ目を横切らせるのか。
足元まできっちり引くのか、沖のピンだけを撃つのか。

釣れない時間はつらいですが、同時に、少しずつ自分の中に判断材料が積み上がっていく時間でもありました。

この日の長島も、最初から「絶対釣れる」と思っていたわけではありません。むしろ、また今日も何もないかもしれない。そんな気持ちもありました。

でも、磯に立って海を見た瞬間、どこかで「今日はちゃんとやり切ろう」と思いました。

タックルは信頼重視。磯で振り抜けるセッティング

この日のメインタックルは、ロッドがAPIA グランデージ STD 111mh、リールがステラSW 6000XG。ルアーはカゲロウ100Fを中心に組み立てました。

ロッドは磯での取り回しと飛距離、そして魚を掛けてからの安心感を重視。ヒラスズキ狙いでは、ルアーを繊細に流したい場面もありますが、磯場では掛けてから主導権を渡さない強さも必要です。

リールはステラSW6000XG。正直、ヒラスズキだけを考えると少し強めに感じる人もいるかもしれません。ただ、磯では想定外の魚が掛かる可能性もありますし、波と岩に囲まれた状況でやり取りすることを考えると、僕は安心感を優先しました。

ルアーはカゲロウ100F。
このルアーは、サラシの中でも暴れすぎず、でも存在感がしっかりあるところが気に入っています。水面直下を自然に漂わせるように引けるので、ヒラスズキ狙いではかなり信頼しているルアーです。

ウェア・ギア類はマズメの装備で固めました。

・マズメ MZWD-691
・マズメ MZAS-938
・マズメ MZWS-909
・マズメ MZBK-942

磯の釣りでは、釣具そのものだけでなく、安全装備や身につけるギアの安心感が本当に大事です。特にヒラスズキ狙いは波を読む釣りなので、足場、動きやすさ、濡れへの強さ、収納のしやすさは釣果以前に重要な部分だと感じています。

サラシの払い出しにカゲロウ100Fを流す

朝の磯は、曇り空の下で少し暗く、海面は鉛色に近い色をしていました。

波が入るたびに、目の前の岩へ白い泡がぶつかります。波が砕けて、白い帯が沖へ伸びていく。その一瞬を待って、カゲロウ100Fをキャストしました。

狙ったのは、サラシのど真ん中ではなく、白泡が薄くなっていく境目。

ヒラスズキは、サラシの中にずっといるというより、サラシに隠れてベイトを待っているようなイメージがあります。だから、ルアーを「見せすぎず、消えすぎず」の場所に入れたい。

着水後、ラインを張りすぎないようにしながら、流れに乗せる。
リールは巻きすぎない。
ルアーが水を噛みすぎないように、でも完全に流されないように。
サラシの中で自然に漂わせるように通していきます。

数投して反応なし。

立ち位置を少し変え、波の当たり方を見直しました。
同じサラシでも、少し角度を変えるだけでルアーの入り方が変わります。払い出しに乗せるのか、横切らせるのか。岩の際をなぞるのか、沖の切れ目を通すのか。

そして、次のキャスト。

カゲロウ100Fが狙った位置に入り、白泡の中をゆっくり抜けていく。サラシが薄くなり、ルアーの位置が少しだけ見えたような気がした瞬間でした。

ゴンッ。

明確な衝撃が手元に伝わりました。

一瞬、体が固まりました。
でも次の瞬間には、ロッドが絞り込まれていました。

ついに来た。2年分の答え合わせ

「食った!」

声に出したかどうかは覚えていません。たぶん、出ていたと思います。

魚はサラシの中で首を振り、ロッドに重みが乗ります。青物のように一直線に走る感じではなく、波の中で身を翻しながら抵抗するような引き。ヒラスズキだと直感しました。

ここで焦るとバレる。
でも、磯際に入られると一気に不利になる。

ステラSW6000XGの巻き取りでラインを回収しつつ、グランデージSTD110で魚の向きを変えます。波のタイミングを見ながら、無理に寄せすぎない。寄せ波に乗せて距離を詰め、引き波では耐える。

魚体が一瞬、白い泡の中で反転しました。

銀色。

その瞬間、心臓が一段強く跳ねました。
間違いない。ヒラスズキです。

サイズはそこまで大きくはなさそうでした。それでも、この魚だけは絶対に獲りたい。2年間、何度も何度も空振りしてきた釣りの、ようやく訪れた一瞬です。

最後は波に合わせて慎重にずり上げました。

磯の上に横たわった魚を見た瞬間、力が抜けました。

60cm程度のヒラスズキ。
ランカーでも、特大でもありません。

でも、僕にとっては最高の1本でした。

サイズ以上に重かった60cm

釣りをしていると、どうしてもサイズや数に目が行きます。

何cmだったのか。
何kgだったのか。
何本釣れたのか。

もちろん、それも釣りの大きな楽しみです。僕自身、大きい魚を釣りたい気持ちはありますし、もっと上手くなりたいとも思っています。

でも、この日のヒラスズキは、サイズ以上の価値がありました。

2年ほど通って、やっと釣れた魚。
何度も外して、何度も悔しい思いをして、それでも諦めずに磯へ立ち続けて、ようやく出会えた魚。

手にした瞬間、「釣れた」というより「報われた」という感覚の方が強かったです。

釣りをしていると、なかなか結果が出ない時期があります。特にロックショアや磯のヒラスズキは、簡単に答えが返ってこない釣りです。

でも、だからこそ、1本が本当に重い。

釣れなかった時間が長ければ長いほど、魚を手にした時の喜びは大きくなる。
この60cmのヒラスズキは、まさにそんな1本でした。

ヒットルアーはカゲロウ100F

今回のヒットルアーはカゲロウ100Fでした。

使い方としては、強く泳がせるというより、サラシの払い出しに乗せながら漂わせるイメージ。ミノーを投げて巻くというより、波と流れにルアーを置いてくる感覚に近かったです。

ヒラスズキ釣りでは、ルアーを動かしすぎると不自然に感じることがあります。特にサラシの中では、水そのものが複雑に動いているので、ルアーを人間側で動かしすぎる必要はないのかもしれません。

今回は、白泡の中から薄くなる境目にカゲロウ100Fを通した時にバイトが出ました。

ルアーのサイズ感も、南房総の磯では使いやすいと感じます。大きすぎず、小さすぎず、飛距離も出しやすい。サラシの中で見失われすぎない存在感もあり、今後も間違いなく一軍で使い続けるルアーです。

南房総ヒラスズキは簡単ではない。でも、だから面白い

今回、ようやく南房総の磯でヒラスズキを釣ることができました。

正直に言うと、ここまで長かったです。

もっと早く釣れると思っていました。
通えばそのうち釣れるだろう、くらいに考えていた時期もありました。

でも実際は、そんなに甘くありませんでした。

サラシがあっても釣れない。
雰囲気が良くても釣れない。
ベイトっ気があっても反応がない。
安全を考えて入れない日もある。
無理をすれば危ない日もある。

それでも、通っているうちに少しずつ分かってくることがあります。

波の見方。
立ち位置。
ルアーの流し方。
入るタイミング。
引く勇気。
粘るべき場所と見切る場所。

今回の1本は、その積み重ねの先に出てくれた魚でした。

まとめ:釣れなかった時間も含めて、最高の釣行だった

2026年6月6日、南房総市千倉の長島で釣れた約60cmのヒラスズキ。

サイズだけを見れば、もっと大きなヒラスズキはたくさんいます。でも、僕にとってこの魚は、今まで釣ってきた魚の中でもかなり特別な1本になりました。

2年ほど通って、ようやく手にしたヒラスズキ。
釣れなかった時間があったからこそ、魚を手にした瞬間の喜びは本当に大きかったです。

磯のヒラスズキ釣りは、決して簡単ではありません。むしろ、釣れない時間の方が長い釣りだと思います。

それでも、波の音を聞きながら磯に立ち、サラシの向こうにルアーを投げるあの時間は、何とも言えない魅力があります。

そして、何度も通った先で出会えた1本は、サイズ以上に心に残ります。

今回の釣行で、あらためて思いました。

釣りは、釣れた魚だけではなく、釣れなかった時間も含めて面白い。

次はさらにサイズアップを目指したいですが、まずはこの1本に感謝したいと思います。

タックルデータ

ロッド:APIA グランデージ STD 111mh
リール:シマノ 20ステラSW 6000XG
ルアー:メガバス カゲロウ100F
ウェア・ギア:マズメ MZWD-691 / MZAS-938 / MZWS-909 / MZBK-942

今回使用したタックルや装備は、磯のヒラスズキ釣りで安心して使えるものを中心に選びました。特に磯場では、ロッドやリールだけでなく、安全装備やウェアの快適性も釣行全体の満足度に直結します。気になる方は、各アイテムの詳細もぜひチェックしてみてください。

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